日本水難救済会について
公益社団法人 ⽇本⽔難救済会(マリン・レスキュー・ジャパン)は、沿岸海域で遭難した⼈や船の救助に駆けつける⺠間ボランティア救助員を⽀援するとともに、遥か洋上の傷病船員等に対する救急医療事業を運営する団体です。
(英⽂名称)Public Interest Incorporated Association "Marine Rescue Japan"
海の犠牲者ゼロを目指して
我が国は⼩さな島国ですが⻑⼤な海岸線を有し、その沿岸海域では船舶海難や海浜事故が発⽣しておりますが、船舶海難や海浜事故に迅速かつ的確に対応することは、海上保安庁や警察・消防などの国や地⽅⾃治による公的な救難体制だけでは困難です。
このため、全国の臨海道府県には⺠間ボランティア団体である40の地⽅⽔難救済会が設⽴されており、これら地⽅⽔難救済会の傘下にある救難所及び同⽀所が全国津々浦々に合計1,300ヶ所以上も設置され、海難発⽣等の⼀報を受けたときはこれらに所属する総勢約5万名のボランティア救助員が、荒天暗夜をも厭わず、⽣業を投げ打ってでも直ちに捜索救助活動に対応する体制をとっています。
本会は、こうしたボランティア救助員の救難活動を⽀援するために、明治22(1889)年に創設されて以来、130年余の⻑い歴史がある団体ですが、これまで沿岸海域における⼈命・財産の救助において輝かしい実績と伝統を誇っております。
また、沿岸海域のみならず、遥か洋上の船舶内で傷病者が発⽣した場合に、海上保安庁の船艇・航空機等により医師を現場に派遣し、傷病船員等を収容して応急⼿当てを施しつつ、最寄りの医療機関まで救急搬送するという、世界で唯⼀の洋上救急事業も運営しています。
このような本会の活動に対しまして、皆さまのご理解と更なるご⽀援をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
公益社団法人 日本水難救済会
会⻑ 相原 ⼒
組織図
⽇本⽔難救済会は⾼円宮妃殿下を名誉総裁に戴き、活動を⾏っています。
⽇本⽔難救済会の取り組み
⽇本⽔難救済会は、海上保安庁、消防庁、⽔産庁等の関係省庁及び地⽅⾃治体のご指導、⽇本財団、⽇本海事センター、⼤⽇本⽔産会、全国漁業協同組合連合会、⽇本漁船保険組合、⽇本船主協会、全⽇本海員組合など海事関係団体及び多くの医療機関並びに国⺠の皆様のご⽀援により⽔難救済に関する各種事業や洋上救急事業等に取り組んでいます。
ボランティア海難救助
⽔難救済会の救助活動は救難所員がボランティアで行う活動です。救難所員は海難救助要請の情報を⼊⼿した場合、昼夜を問わず迅速に救助に出動します。海上での⼈や船の遭難、海浜や岸壁での⼈の事故等、遭難の形態は様々で、また、救助対象も⼀般船舶・漁船・ヨット・磯釣りなど、広範囲に及びます。
洋上救急
⽇本の周辺海域を航⾏する船舶内で、病気や負傷により緊急に医師の治療を必要とする患者が発⽣した場合、本会の洋上救急センターは、船主と関係機関との連絡・調整を⾏い、海上保安庁の船舶、航空機等で医師、看護師等を現場に急送。応急治療を実施しつつ、全国144医療機関等(令和5年6⽉26⽇現在)の協⼒の下に救助が遂⾏されています。
海の安全教室
若者の⽔難救済ボランティア教室を平成13年度から、国⼟交通省、海上保安庁及び消防庁の後援を受けて実施しています。主に⼩中学⽣等を対象に海を安全に楽しむための基礎的な知識・技能を体得してもらうとともに、⽔難救済思想の普及啓発を図ってきましたが、平成29年度から、対象を地元⼀般市⺠にまで拡⼤して「海の安全教室」として開催しています。
災害補償など
救助活動や訓練中に災害を受けた場合の補償制度があります。
災害補償
救難所員が救助活動または訓練中に災害を受けた場合、その被災の内容に応じて、所員またはその遺族に対し、療養補償、障害補償、介護補償、休業補償、遺族補償、葬祭補償を⾏います。
ただし、「海上保安官に協⼒援助した者等の災害給付に関する法律」が適⽤される場合は、これらの補償は受けられません。
賞じゅつ⾦
救難所員が上記の災害補償の適⽤を受けた場合、功労の程度、被災の内容に応じて、殉職者賞じゅつ⾦、障害者賞じゅつ⾦を給付します。