海上の傷病者を救う世界唯一のシステム“海の救急医療”。
昭和60年の設立以来、出動は1,006件、救助人員は1,039名を数えます。
(令和7年3月31日現在)
下記より洋上救急の概要(動画)を見る事ができます。
洋上における医師の派遣は、人命救助と船員福祉という人道的観点にたって1985年10月より日本水難救済会の事業として開始されています。
洋上救急事業は、医師を洋上へ派遣して、救急医療を提供する世界で唯一のシステムです。
本動画は、洋上救急の概要をまとめた動画です。
なお、洋上救急の概要(英語版)もYouubeで聴取することができます。
我が国の周辺海域においては、遥か洋上の船舶内で傷病者が発生し、緊急に医師の加療を必要とする場合、海上保安庁の巡視船・航空機等で医師・看護師をその船舶まで急送して応急治療を行いつつ、最寄りの病院に救急搬送しています。
洋上救急では、医師や看護師は巡視船やヘリコプターに乗組み、遥か洋上まで出動し、厳しい自然条件や巡視船・ヘリコプターの動揺、騒音等の悪条件下における救命治療が必要とされます。洋上救急では、医師や看護師は巡視船やヘリコプターに乗組み、遥か洋上まで出動し、厳しい自然条件や巡視船・ヘリコプターの動揺、騒音等の悪条件下における救命治療が必要とされます。
このため、全国各地域では多数の医師・看護師が訓練に参加し、ヘリコプター等に搭乗して訓練を行うなど、現場の状況を実際に体験して出動に備えています。
(写真提供:海上保安庁)
令和6年12月16日発生
【発生位置】
沖ノ鳥島南西約150海里
【船種等】
鉱石運搬船
【傷病者】
男性25歳 船員(フィリピン国籍)
【傷病名】
虫垂炎性腹膜炎、穿孔性腹腔内膿瘍、麻痺性イレウス、敗血症の疑い
【出動医療機関、医師等】
沖縄赤十字病院(医師1名)
【出動勢力】
巡視船いしがき 航空機MA721 航空自衛隊UH-60J
【洋上救急活動状況】
令和6年12月16日午後8時21分頃、沖ノ鳥島の南西約150海里付近でオーストラリアから中国向け航行の船内において、乗組員が、激しい胃痛、嘔吐により、同船運航者から海上保安庁に対し救助要請があり、同船運航者に対し医療助言を求めるよう指示したところ、早急に医療機関へ搬送して受診が必要との助言がありました。
海上保安庁(第十一管区海上保安本部)は、所属航空機による救助を検討するとともに、同庁勢力のみでは、救助に時間を要するため、17日午後2時35分に航空自衛隊に災害派遣を要請し、同時刻に受理されました。医師等の派遣については、沖縄赤十字病院が承諾し洋上救急が発動されました。
17日午後3時35分、航空自衛隊南西航空方面隊所属のUH-60Jに医師1名が同乗し那覇基地出発し該船へ向かい、午後5時50分にMA721が那覇航空基地を出発し南大東島へ向かいました。
UH-60Jが傷病者を収容し南大東島に向い、南大東島に先着していたMA721に傷病者及び医師を引継ぎ、午後10時10分南大東島を出発し那覇空港へ向かいました。
17日午後11時30分にMA721は那覇航空基地に到着し、傷病者を救急隊へ引き渡し、沖縄赤十字病院へ搬送しました。
令和6年12月2日発生
【発生位置】
沖縄本島南端から南東533海里付近海上
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性57歳 操舵手(日本国籍)
【傷病名】
左手薬指の切断
【出動医療機関、医師等】
南部徳洲会病院(医師1名)
【出動勢力】
巡視船くだか MH975、MA721 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
令和6年12月2日午前8時15分頃、日本漁船の所有者から海上保安庁へ「乗組員(日本人)が左手の薬指を切断したことから、救助を要請する」旨の通報があり、海上保安庁(第十一管区海上保安本部)から、南部徳洲会病院へ洋上救急の要請(医師派遣依頼)を行ったところ、承諾されたことから洋上救急が発動されました。
12月3日 午前1時30分、MH975に医師1名が同乗し、那覇航空基地を出発、該船に向いました。午前4時00分、MH975が該船と会合し、MA721による照明弾支援を受けながら、該船から、傷病者を収容し、北大東島へ向かいました。
午前5時13分、MH975が北大東空港に着陸、先着していたMA721に傷病者と医師を引継ぎ、午前5時45分、MA721が北大東空港を離陸し、那覇空港へ向かいました。
午前7時00分、MA721が那覇航空基地に到着し、傷病者を那覇市消防局に引継ぎ、南部徳洲会病院へ搬送しました。
令和6年11月21日発生
【発生位置】
沖縄本島南端から南東約550海里付近海上
【船種等】
貨物船
【傷病者】
男性30歳 司厨員(ベトナム国籍)
【傷病名】
播種性帯状疱疹もしくは梅毒の疑い
【出動医療機関、医師等】
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター(医師1名)
【出動勢力】
巡視船りゅうきゅう 那覇航空基地MH966 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
令和6年11月21日午後5時45分頃、パナマ籍貨物船から「乗組員に急患が発生したことから、救助を要請する」旨、海上保安庁に要請があり、海上保安庁(第十一管区海上保安本部)は、所属航空機による救助を検討するとともに、同庁勢力のみでは、救助に時間を要するため、17日午後2時35分に航空自衛隊に災害派遣を要請し、同時刻に受理されました。 医師等の派遣については、南部医療センター・こども医療センターに対して、派遣要請を打診し承諾を得たことから、洋上救急が発動されました。 11月22日午後8時38分、医師1名同乗のMH966が那覇航空基地を出発し、「巡視船りゅうきゅう」に向いました。 午前9時58分、MH966が「巡視船りゅうきゅう」に着船し、午後2時55分、該船との会合にむけ、MH966が「巡視船りゅうきゅう」から離船し該船に向い、午後3時32分、該船と会合、傷病者を収容し、「巡視船りゅうきゅう」へ向かい、午後4時40分、再度、MH966が「巡視船りゅうきゅう」に着船しました。 その後、午後7時40分、MH966は傷病者と医師が同乗し「巡視船りゅうきゅう」を離船し那覇空港へ向かいました。午後9時30分、MH966那覇航空基地着、那覇市消防局に引継ぎ、南部医療センター・こども医療センターへ搬送しました。
(写真提供:海上保安庁)
令和6年11月11日発生
【発生位置】
沖縄本島南端から東約254海里付近海上
【船種等】
貨物船
【傷病者】
男性28歳 甲板員(スリランカ国籍)
【傷病名】
左眼外傷、左角膜潰瘍、左角膜混濁、左続発性緑内障
【出動医療機関、医師等】
沖縄赤十字病院(医師1名)
【出動勢力】
航空自衛隊UH-60J
【洋上救急活動状況】
令和6年11月11日午前11時35分頃、マルタ籍貨物船から「乗組員が左目を負傷した。搬送してほしい」旨、海上保安庁に対し救助要請がありました。
海上保安庁(第十一管区海上保安本部)は、所属航空機による救助を検討するとともに、同庁勢力のみでは、救助に時間を要するため、航空自衛隊へ災害派遣要請を行い、航空自衛隊南西航空方面隊所属の救難ヘリコプターUH-60Jが対応にあたることとなり、また、沖縄赤十字病院に対して、派遣要請を打診し承諾を得たことから、洋上救急が発動されました。
11月11日午後3時34分、医師1名同乗のUH-60Jが航空自衛隊那覇基地を出発し、該船に向いました。午後5時3分UH-60Jが該船と会合し、傷病者を収容後、那覇空港へ搬送し、午後6時59分頃:航空自衛隊那覇基地で患者を救急車へ引き継ぎました。
令和6年10月17日発生
【発生位置】
金華山灯台の東約1452海里付近海上
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性66歳 船員(インドネシア国籍)
【傷病名】
腎後性腎不全、尿閉
【出動医療機関、医師等】
八戸市立市民病院(医師2名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船しもきた 海上自衛隊US-2、P-1
【洋上救急活動状況】
令和6年10月17日午後0時34分頃、金華山灯台の東、1,452海里付近海上を航行中の漁船から「乗組員が、尿及び便が出なくなり腹痛を訴えており、東京高輪病院から医療助言を受けたところ、限局性腹膜炎の疑いがあり、急激に悪化する場合があるため、早急に医療機関への搬送が必要である」との助言を受けた旨の通報が海上保安庁(第二管区海上保安本部)にありました。
第二管区海上保安本部は、船艇及び航空機による救助を検討するとともに、海上保安庁の勢力のみでの救助では時間を要すため、10月18日午後4時40分に早期救助が可能な海上自衛隊に災害派遣を要請し、同時刻に受理されました。
医師等の派遣については、八戸市立市民病院に対し派遣要請を打診し、医師2名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
19日午前11時34分、US-2に医師及び看護師が同乗のうえ海上自衛隊八戸航空基地を出発。同日午後3時20分に当該漁船からUS-2に傷病者を引継ぎ、医療行為を実施しつつ八戸航空基地まで搬送して、八戸航空基地で救急車に引継ぎ八戸市立市民病院へ搬送しました。
令和6年10月3日発生
【発生位置】
粟国島北北西約13海里付近海上
【船種等】
タンカー
【傷病者】
男性45歳 船員(インド国籍)
【傷病名】
脳卒中、歩行不可、右被殻出血、高血圧症
【出動医療機関、医師等】
琉球大学病院(医師1名)
【出動勢力】
航空自衛隊UH-60J
【洋上救急活動状況】
令和6年10月3日午前2時14分頃、代理店から「粟国島北北西約13海里を航行中のマーシャル諸島籍タンカーで乗組員1名が脳卒中で倒れた。救助願う。」旨、海上保安庁に対し救助要請がありました。
海上保安庁(第十一管区海上保安本部)では、対応可能な回転翼機がないことから、航空自衛隊南西航空隊に災害派遣要請を行うとともに、琉球大学付属病院へ洋上救急の要請を行ったところ、双方がこれに承諾したことから洋上救急が発動されました。
10月3日午前5時20分頃、医師1名同乗のUH-60Jが航空自衛隊那覇基地を出発し、該船に向いました。午前5時35分頃、UH-60Jが該船と会合し、傷病者を収容後、那覇空港へ向かい、午前6時20分頃、航空自衛隊那覇基地で傷病者を救急車へ引き継ぎました。
令和6年9月28日発生
【発生位置】
金華山灯台の東南東約770 海里付近海上
【船種等】
まぐろ延縄漁船
【傷病者】
男性35歳 船員(インドネシア国籍)
【傷病名】
急性虫垂炎、脱水症
【出動医療機関、医師等】
仙台医療センター(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船ざおう 機動救難士2名 航空自衛隊UH-60J、U-125A
【洋上救急活動状況】
令和6年9月28 日午後3 時05 分頃、金華山灯台の東南東、約770海里付近海上を航行中の漁船から「乗組員が、激しい腹痛を訴え、東京高輪病院から医療助言を受けたところ、胃潰瘍又は胆石の疑いがあり、今後さらに悪化する可能性があるので、早急に医療機関への搬送が必要である」との指示を受けた旨の通報が海上保安庁(第二管区海上保安本部)にありました。
第二管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、仙台航空基地機動救難士2名を乗船させた巡視船ざおうを発動するとともに、海上保安庁の勢力のみでは救助に時間を要すため、9月30日午後7時20 分に早期救助が可能な航空自衛隊に災害派遣を要請し、同時刻に受理されました。
医師等の派遣については、仙台医療センターに対し派遣要請を打診し、医師1 名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
30 日午後8 時30 分、UH-60J に医師及び看護師が同乗のうえ航空自衛隊松島基地を出発。先着し患者を収容していた「巡視船ざおう」からUH-60Jに傷病者を移乗させ、医療行為を実施しつつ松島基地まで搬送。午前0時8分、航空自衛隊松島基地で傷病者を救急車へ引継ぎ、石巻赤十字病院へ搬送しました。
(写真提供:海上保安庁)
令和6年9月29日発生
【発生位置】
禄剛崎灯台から321度約173海里付近海上
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性41歳 甲板長(日本国籍)
【傷病名】
上顎骨骨折、右眼周囲、左腰部、左手各関節、右首打撲
【出動医療機関、医師等】
新潟市民病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船さがみ、MH970 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
令和6年9月17日午前3時頃、操業中に1kgの錘が顔面に当たり受傷しました。痛みがあるため休息していたが、目の痛み、頭痛が収まらず、医師からの早めに医師の診断を受けた方がよいとの医療助言により、海上保安庁(第九管区海上保安本部)に救助を要請しました。
要請を受けた第九管区海上保安本部は、新潟市民病院へ派遣要請を行ったところ、これに承諾したことから洋上救急が発動されました。
午前6時、「巡視船さがみ」が現場へ向かい、午前6時45分頃、現場到着、「巡視船さがみ」搭載艇にて傷病者を収容しました。その後、「巡視船さがみ」は航空機との会合地点へ向かい、午前10時30分、「巡視船さがみ」へ医師等が乗った新潟航空基地のMH970が着船し、傷病者を収容後、「巡視船さがみ」を離船し新潟空港へ向かい、午後12時37分に新潟航空基地に到着し傷病者を救急隊へ引き渡しました。
令和6年9月27日発生
【発生位置】
南鳥島南約126海里
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性47歳 甲板員(インドネシア国籍)
【傷病名】
右第5指切断
【出動医療機関、医師等】
東海大学医学部付属病院(医師2名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船いず 海上自衛隊US-2
【洋上救急活動状況】
令和6年9月27日午後6時57分頃、南鳥島の南約126海里(北緯22度13分、東経154度27分)付近で揚げ縄操業中の日本漁船において、乗組員が、揚網中に右手小指第一関節部から切断、早急に医療機関へ搬送して受診が必要との医療助言を受け、同船船長から海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。
第三管区海上保安本部は、該船に対しては、操業を中止のうえ、南鳥島へ向かうよう指示するとともに、巡視船いずを発動、海上保安庁の救助では時間を要すため、9月27日午後10時50分に早期救助が可能な海上自衛隊に災害派遣を要請し、同時刻に受理されました。
医師等の派遣については、東海大学医学部付属病院に対し派遣要請を打診し、医師2名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
28日午前6時47分、US-2が海上自衛隊岩国基地を出発し、午前8時15分に海上自衛隊厚木基地到着、午前9時15分頃、東海大医学部付属病院医師等3名同乗したUS-2が厚木基地出発し、南鳥島へ向かいました。
午後0時頃、第八十八一栄丸が南鳥島到着し患者が下船しました。午後0時53分頃、US-2が南鳥島着、傷病者を機内に移乗させ、午後1時50分、医師等3名と傷病者が同乗したUS-2が南鳥島を出発して、海上自衛隊厚木基地へ向かいました。
午後5時32分頃にUS-2は、海上自衛隊厚木基地に到着し、傷病者をドクターカーへ引継ぎ、東海大学医学部付属病院へ搬送しました。
令和6年9月26日発生
【発生位置】
八丈島南東約525海里
【船種等】
海洋調査船
【傷病者】
男性50歳 甲板長(中華人民共和国籍)
【傷病名】
左手示指第一関節部から切断
【出動医療機関、医師等】
東海大学医学部付属病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船みかづき 海上自衛隊US-2、P-1
【洋上救急活動状況】
令和6年9月26日午前8時00分頃、小笠原北東方約400海里付近で中国海洋調査船において、乗組員が、作業中に左手示指第一関節部から切断。意識はあるものの、早急に医療機関へ搬送して受診が必要とのことから、同船から代理店を通して海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。
第三管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、「巡視船みかづき」を発動するとともに、海上保安庁の勢力では救助に時間を要すため、9月26日午前10時19分、早期救助が可能な海上自衛隊に災害派遣を要請し受理されました。
また、医師等の派遣については、東海大学医学部付属病院に対し派遣要請を打診し、医師1名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
27日午前3時30分、東海大学医学部付属病院の医師等2名が同乗したUS-2が海上自衛隊厚木基地を出発し該船に向いました。午前6時13分頃、傷病者をUS-2に収容し現場離脱、羽田空港へ向かいました。
午前7時50分、US-2が羽田空港に到着し、傷病者をドクターカーへ引継ぎ、東海大学医学部付属病院向け搬送しました。
令和6年9月18日発生
【発生位置】
納沙布岬沖北東約880海里
【船種等】
客船
【傷病者】
男性57歳 船員(ウクライナ国籍)
【傷病名】
十二指腸潰瘍出血
【出動医療機関、医師等】
八戸赤十字病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視艇あさかぜ 機動救難士2名 海上自衛隊US-2
【洋上救急活動状況】
令和6年9月18日午前8時32分ころ、バハマ船籍旅客船から海上保安庁(第一管区海上保安本部)に対し、「納沙布岬の東方約1,600キロメートルの海上において、乗組員1名が消化管出血疑いとなっており、客船の医師によると輸血設備がある病院へ早急に搬送する必要があるため救助して欲しい」旨の救助要請がありました。
第一管区海上保安本部は船艇航空機による救助を検討したところ、海上保安庁の勢力では、救助に時間を要することから、海上自衛隊に災害派遣要請を実施するとともに、八戸赤十字病院に対して派遣要請を打診し、医師1名、看護師1名派遣の承諾を得ました。
9月19日午前11時30分、US-2に八戸赤十字病院の医師及び看護師が同乗し、海上自衛隊八戸基地を離陸、午後2時11分該船と会合するも、海上模様が悪いため着水できず、現場を離脱し八戸基地へ向かい、午後4時20分、海上自衛隊八戸基地に到着し医師及び看護師が降機しました。
なお、傷病者は、9月20日午前8時5分、釧路港検疫錨地にて該旅客船から患者を釧路保安部「巡視艇あさかぜ」に移乗させ、釧路港待機中の釧路市消防本部救急車に引き渡しました。
令和6年9月21日発生
【発生位置】
南鳥島北西約165海里
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性22歳 甲板員(インドネシア国籍)
【傷病名】
胸部打撲
【出動医療機関、医師等】
東海大学医学部付属病院(医師2名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船いず 海上自衛隊US-2、P-1
【洋上救急活動状況】
令和6年9月21日午前9時38分頃、南鳥島の北西約165海里付近で揚げ縄操業中の日本漁船において、乗組員が、胸を押さえながら突然倒れ、意識はあるものの、早急に医療機関へ搬送して受診が必要との医療助言を受け、同船船長から海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。
第三管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、巡視船いずを発動するとともに、海上保安庁の勢力では救助に時間を要すため、9月21日午前10時45分頃、早期救助が可能な海上自衛隊に災害派遣を要請し受理されました。
また、医師等の派遣については、東海大学医学部付属病院に対し派遣要請を打診し、医師2名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
22日午前1時54分頃、東海大学医学部付属病院の医師等3名が同乗したUS-2が海上自衛隊厚木基地を出発し該船に向いました。午前5時40分頃、傷病者をUS-2に収容し、現場離脱後、硫黄島に向いました。
午前7時38分頃US-2が硫黄島に到着し、先着していた海上自衛隊のP-1に傷病者及び医師等3名が移乗し、午前8時25分頃に硫黄島を出発し、海上自衛隊厚木基地へ向かいました。
午前10時27分頃に海上自衛隊厚木基地到着、傷病者をドクターカーへ引継ぎ、東海大学医学部付属病院へ搬送しました。
令和6年9月4日発生
【発生位置】
金華山灯台の東北東約1700 海里付近海上
【船種等】
いか釣り漁船
【傷病者】
男性25歳 船員(インドネシア国籍)
【傷病名】
右眼球破裂
【出動医療機関、医師等】
八戸市立市民病院(医師2名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船くりこま 機動救難士2名 海上自衛隊US-2、P-3C
【洋上救急活動状況】
令和6年9月4日午後4時42 分頃、金華山灯台の東北東、約1,700海里付近海上を航行中の漁船から海上保安庁に対し、「乗組員が、イカ釣り針が右目瞼に刺さり負傷した。宮城県利府掖済会病院から医療助言を受けたところ、早急に医療機関への搬送が必要である」との助言を受けた旨の通報がありました。
海上保安庁(第二管区海上保安本部)は、同船の位置を踏まえ、船主に対し距離的に近い米国に向かうよう指導を続けるも、船主は本邦で受診したい旨の姿勢を固持し、同船は八戸向け航行を継続しているため、日本側での救助する計画としました。
海上保安庁は、所属航空機による救助を検討するとともに、同庁勢力での救助では時間を要すため、9月7日午前10時に早期救助が可能な海上自衛隊に災害派遣を要請し、同午前10時05分に受理されました。
医師等の派遣については、八戸市立市民病院に対し派遣要請を打診し、医師2名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。8日午前11時00 分、US-2に医師及び看護師が同乗のうえ海上自衛隊八戸航空基地出発。先着し患者を収容していた「巡視船くりこま」からUS-2に患者を移乗させ、医療行為を実施しつつ搬送し、同日午後5時57分、海上自衛隊八戸航空基地着。救急車に引継ぎ、八戸市立市民病院へ搬送しました。
(写真提供:海上保安庁)
令和6年9月2日発生
【発生位置】
釧路沖東方約260海里(約500km)
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性36歳 二等航海士(インドネシア国籍)
【傷病名】
骨盤骨折、尿道損傷、腸管損傷疑い
【出動医療機関、医師等】
市立釧路総合病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船そうや 釧路航空基地ヘリコプター 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
令和6年9月2日午後6時40分頃、釧路沖東方約260海里付近海上を航行中の漁船から「乗組員が、網にまかれて負傷し、横浜保土ヶ谷中央病院に医療相談を受けたところ、早急に医療機関への搬送が必要である」との通報が海上保安庁(第一管区海上保安本部)ありました。
第一管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、「巡視船そうや」を発動するとともに、医師等の派遣については、市立釧路総合病院に対し派遣要請を打診し、医師1名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
9月2日午後9時40分に市立釧路総合病院医師等2名が乗船した「巡視船そうや」が釧路港を出発し、該船に向いました。
9月3日午前8時44分に「巡視船そうや」が該船と会合し、傷病者を「巡視船そうや」に収容し、釧路港に向け航走を開始しました。
午後1時30分、「巡視船そうや」搭載ヘリに市立釧路総合病院医師等2名と傷病者が乗機し、「巡視船そうや」を離船し、市立釧路総合病院に向いました。
午後2時31分、搭載ヘリが市立釧路総合病院ヘリポートに到着し、傷病者を病院関係者へ引継ぎました。
(写真提供:海上保安庁)
令和6年7月16日発生
【発生位置】
羽田から東南東約620海里
【船種等】
海洋調査船
【傷病者】
男性36歳 研究員(中華人民共和国)
【傷病名】
不明
【出動医療機関、医師等】
東海大学医学部付属病院(医師2名、看護師1名)
【洋上救急活動状況】
令和6年7月16日午後8時00分頃、北緯31-52.5、東経151-33.0付近で中国海洋調査船において、中国人研究員(36歳男性)が、同船船医から上部呼吸器感染症、肺感染症という診断を受け、早急に病院での治療を受ける必要があるとのことから、同船から海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。
第三管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、「巡視船あきつしま」を発動するとともに、海上保安庁の救助では時間を要すため、海上自衛隊に災害派遣を要請し受理されました。
また、医師等の派遣については、東海大学医学部付属病院に対し派遣要請を打診し、医師2名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
17日午後2時00分頃、東海大学医学部付属病院の医師等3名が同乗したUS-2が厚木基地を出発し、該船に向いましたが、傷病者が感染症5類以下であることが確認できないため、US-2による対応は不可との決定がなされ、着水せず午後7時45分に厚木基地へ帰投しました。
なお、傷病者は、「巡視船あきつしま」搭載ヘリにて羽田航空基地へ急患搬送し、東京消防庁救急隊へ引き渡しました。
令和6年6月9日発生
【発生位置】
南鳥島南南西約210海里
【船種等】
鮪延縄漁船
【傷病者】
男性32歳 甲板員(インドネシア国籍)
【傷病名】
全身性の浮腫、腹水、腎不全(透析レベルではない)
【出動医療機関、医師等】
東海大学医学部付属病院(医師2名、看護師1名) 日本医科大学付属病院(医師2名)
【出動勢力】
海上自衛隊US-2、P-1 巡視船あきつしま 羽田航空基地MH690、MAJ577 特殊救難隊員2名
【洋上救急活動状況】
令和6年6月9日午後2時17分頃、北緯20度55分、東経152度42分付近で操業中の日本漁船において、インドネシア人船員(32歳男性)が、腹部から足部にかけてむくみと腫れが酷く、早急に医師の診断を受ける必要があるとの医療助言を受け、同船船長から海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。
第三管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、「巡視船あきつしま」を発動するとともに、海上保安庁の勢力では救助に時間を要すため、海上自衛隊に災害派遣を要請し受理されました。
9日午後11時30分頃、東海大学医学部付属病院の医師等3名が同乗したUS-2が海上自衛隊厚木基地を出発し該船に向いましたが、機体に不具合が発生し着水不可となったため、現場を離脱し海上自衛隊厚木基地へ帰投しました。
第三管区海上保安本部は、US-2が着水不可となったことから「巡視船あきつしま」を該船へ向かわせるとともに、羽田航空基地から北九州航空基地所属MAJ577に日本医科大学付属病院医師2名が同乗し硫黄島へ向かいました。
「巡視船あきつしま」搭載機MH690が該船から傷病者を吊上げ硫黄島へ搬送し、同島にてMH690からMAJ577に患者を引き継ぎ、羽田航空基地へ搬送しました。
令和6年5月28日発生
【発生位置】
華山灯台の東南東800海里付近海上
【船種等】
コンテナ船
【傷病者】
男性36歳 船員(スリランカ国籍)
【傷病名】
頸椎捻挫
【出動医療機関、医師等】
石巻赤十字病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船しもきた 航空自衛隊UH-60J、U-125A
【洋上救急活動状況】
令和6年5月28日午前0時27 分頃、金華山灯台の東南東、約800 海里付近海上を航行中のコンテナ船から海上保安庁(第二管区海上保安本部)に対し、「乗組員が転倒、首を強打し意識あるも動けなくなった。医療助言を受けたところ、四肢麻痺を伴う脊髄損傷の疑いがあるため、早急に医療機関への搬送が必要である」との助言を受けた旨の通報がありました。
第二管区海上保安本部は、所属航空機による救助を検討するも、海上保安庁の勢力では救助に時間を要すため、5月29日午後1時に早期救助が可能な航空自衛隊松島基地救難隊に災害派遣を要請し、同時刻に受理されました。
また、医師等の派遣についいては、石巻赤十字病院に対し派遣要請を打診し、医師1名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
29日午後2時40分、UH-60J に医師及び看護師が同乗のうえ航空自衛隊松島基地を出発。コンテナ船からUH-60J に患者を収容。医療行為を実施しつつ搬送し、同日午後5時37 分、航空自衛隊松島基地到着。救急車にて石巻赤十字病院へ搬送しました。
令和6年5月9日発生
【発生位置】
金華山灯台から真方位110度350海里付近海上
【船種等】
海底ケーブル敷設船
【傷病者】
男性44歳 乗客(日本国籍)
【傷病名】
脳梗塞
【出動医療機関、医師等】
日本医科大学付属病院(医師2名)
【出動勢力】
巡視船くりこま、仙台基地MH979 機動救難士2名 航空自衛隊UH-60J、U-125A
【洋上救急活動状況】
令和6年5月9日午後1時頃、金華山灯台から東南東約350海里付近海上を航行中の海底ケーブル敷設船から海上保安庁(第二管区海上保安本部)に対し、「乗船者1名(日本人男性)に体調不良発生し、無線で医療助言を受けたところ、脳卒中又は重度のアルコール離脱が疑われ、早急に医療機関への搬送が必要であるとの助言を受けた。」旨の通報がありました。
第二管区海上保安本部は、所属航空機による救助を検討するとともに、海上保安庁の勢力での救助は時間を要すため、早期救助が可能な航空自衛隊百里基地救難隊に災害派遣要請を打診し、5月9日午後4時に受理されました。
また、医師等の派遣については、日本医科大学付属病院に対し派遣要請を打診し、医師2名の派遣の承諾を得ました。
5月10日午前9時20分、ヘリコプターUH-60Jに医師2名が同乗のうえ航空自衛隊百里基地出発。すでに傷病者を揚収していた「巡視船くりこま」からUH-60Jに患者を収容。医療行為を実施しつつ搬送し、同日午後12時19分、航空自衛隊百里基地到着。救急車にて石岡脳神経外科病院へ搬送しました。
(写真提供:海上保安庁)
令和6年5月3日発生
【発生位置】
宮古島南西30海里付近海上
【船種等】
貨物船
【傷病者】
男性38歳 船員(ウクライナ国籍)
【傷病名】
左足大腿部裂傷
【出動医療機関、医師等】
沖縄県立八重山病院(医師1名)
【出動勢力】
石垣航空基地MH974 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
令和6年5月3日午後7時29分頃、M号から「乗組員が作業中に左足大腿部に長さ20センチ、深さ約2センチの裂傷を負った。すぐに医療機関への搬送が必要なため、ヘリコプターでの救助を要請する。」旨、海上保安庁(第十一管区海上保安本部)に対し救助要請がありました。
第十一管区海上保安本部は、石垣航空基地に対応指示を行うとともに、県立八重山病院へ洋上救急の要請(派遣依頼)を行ったところ、双方がこれに応諾したことから洋上救急が発動されました。
令和6年3月13日発生
【発生位置】
硫黄島東約330海里
【船種等】
鮪延縄漁船
【傷病者】
男性30歳 機関員(インドネシア国籍)
【傷病名】
左示指欠損
【出動医療機関、医師等】
日本医科大学付属病院(医師2名)
【出動勢力】
巡視船さがみ、MAJ575 特殊救難隊員2名 海上自衛隊UH-60J
【洋上救急活動状況】
令和6年3月13日午後8時頃、硫黄島の東約330海里において、第十八誠漁丸機関員である患者が揚網作業中に網に手を絡ませたことにより左示指第一関節端部を切断、船舶所有者を介し海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。その後、横浜保土ヶ谷中央病院からの医療助言を受けつつ、該船に対し硫黄島への接近を指示、併せて小笠原村父島に停泊中であった「巡視船さがみ」を発動。
硫黄島近海で海上自衛隊航空機UH-60Jをして患者を吊上げ、同島へ搬送、同島にて日本医科大学付属病院医師及び特殊救難隊員を同乗させた当庁航空機(MAJ575)に患者を引継ぎ、羽田航空基地へ搬送しました。
令和6年2月23日発生
【発生位置】
大王埼灯台から真方位175.1度約85.4海里
【船種等】
貨物船
【傷病者】
男性57歳 機関長(ウクライナ国籍)
【傷病名】
右尿管結石
【出動医療機関、医師等】
名古屋掖済会病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
中部空港航空基地MH960 巡視船いすず、潜水士2名 航空自衛隊UH-60J、U-125A、救難員2名
【洋上救急活動状況】
令和6年2月23日午後3時44分頃、大王埼から南方約85海里付近海上にて、マーシャル諸島共和国籍貨物船の代理店から、海上保安庁(第四管区海上保安本部)あて、熊野灘沖航行中の外国貨物船M号において乗組員が腎臓辺りに痛みを訴えているとの救助要請がありました。名古屋掖済会病院の医療助言により、早急な措置が必要と判断されたことから、同病院に対し医師等の派遣を要請するとともに、同日午後8時5分航空自衛隊浜松基地へ災害派遣要請を行い受理されました。
同日午後9時22分航空自衛隊浜松基地所属のヘリコプターUH-60へ医師1名及び看護師1名が搭乗し中部空港を出発しました。
同日午後10時18分、該船と会合し傷病者を収容、医療行為を実施しつつ搬送し、午後11時8分、中部空港へ到着、消防救急隊へ引き継ぎました。
令和5年12月27日発生
【発生位置】
室戸岬南方約200キロ付近海上
【船種等】
コンテナ船
【傷病者】
男性57歳 機関長(エジプト国籍)
【傷病名】
心肺停止
【出動医療機関、医師等】
高知医療センター(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
関空基地MH688 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
令和5年12月27日午前10時20分頃、室戸岬東方約110海里付近海上にて、リベリア籍コンテナ船の船舶運航者から、海上保安庁(第五管区海上保安本部)あて、「機関長が腹痛のため苦しんでいる。救助願う。」との通報がありました。
第五管区海上保安本部は、12月27日午前10時20分、該船総代理店の承諾を得、高知医療センターに医師等の派遣を要請しました。
同日午後0時15分、高知空港において、関西空港海上保安航空基地所属のヘリコプターMH688に高知医療センターの医師1名及び看護師1名が搭乗し現場向け出発しました。
同日午後0時57分、該船と会合、ヘリコプターにより傷病者を吊り上げ救助し、午後1時25分に航空機内に収容、医療行為を実施しつつ搬送し、午後2時11分、高知空港へ到着し、消防救急隊へ引き継ぎました。
令和5年12月25日発生
【発生位置】
小笠原父島から真方位88度約430海里
【船種等】
コンテナ船
【傷病者】
男性57歳 機関長(エジプト国籍)
【出動医療機関、医師等】
日本医科大学付属病院(医師2名)
【出動勢力】
関空基地MH688 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
傷病者は、リベリア籍コンテナ船の機関長で、令和5年12月22日頃から腹部の痛みを訴え、令和5年12月25日午後2時29分頃、小笠原父島から88度約430海里付近海域にて、運航者を介し海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がなされました。運航者に対し東京高輪病院へ医療助言を求めるよう指示したところ、早急に専門医療機関への搬送指示がありました。
第三管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、海上保安庁の勢力では、救助に時間を要すため、海上自衛隊に災害派遣を要請し受理されました。
また、医師等の派遣については、日本医科大学付属病院に対し派遣要請を打診し、医師2名の承諾を得ました。
26日午前4時48分頃、日本医科大学付属病院の医師2名が同乗したUS-2が海上自衛隊下総基地を出発し、該船に向いました。
午前6時20分頃、現場海域到着、着水可能海域を調査するも、荒天のため着水困難と判断し、現場離脱し厚木基地へ向かいました。
午前9時32分頃、厚木基地に到着し、医師2名が降機しました。
令和5年12月2日発生
【発生位置】
金華山灯台から真方位94度190海里付近海上
【船種等】
漁船
【傷病者】
男性66歳 乗組員(日本国籍)
【傷病名】
急性心筋梗塞の疑い、心室細動
【出動医療機関、医師等】
仙台医療センター(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
航空自衛隊UH-60J、U-125A
【洋上救急活動状況】
令和5年12月2日午後3時35分頃、金華山灯台から東190海里付近海上を航行中の漁船船長から一般電話により「甲板作業中の乗組員が突然倒れた。意識もなくCPRを実施しAEDで3回電気ショックを実施。ショックは不要とのアナウンスになった。救助を要請すると海上保安庁(第二管区海上保安本部)へ通報がありました。
第二管区海上保安本部は、所属航空機による救助を検討、海上保安庁の勢力では救助に時間を要すため、早期救助が可能な航空自衛隊松島基地救難隊へ災害派遣要請を打診し、12月2日午後6時14分に受理されました。
また、医師等の派遣については、仙台医療センターと石巻赤十字病院に対し派遣要請を打診し、仙台医療センターから医師等の派遣を石巻赤十字病院から要救助者の受け入れの承諾を得ました。
午後8時10分、UH-60Jに医師1名、看護師1名が同乗のうえ航空自衛隊松島基地出発、該船から午後9時53分UH-60Jに傷病者を収容した後、医療行為を実施しつつ搬送し、同日午後11時00分、航空自衛隊松島基地到着、救急車にて石巻赤十字病院へ搬送しました。
令和5年10月21日発生
【発生位置】
硫黄島から真方位96度522海里
【船種等】
鮪延縄漁船
【傷病者】
男性42歳 甲板員(インドネシア国籍)
【傷病名】
頸部刺創、出血性ショック
【出動医療機関、医師等】
東海大学医学部付属病院(医師2名、看護師1名)
【出動勢力】
海上自衛隊US-2、P-1
【洋上救急活動状況】
令和5年10月21日午前3時頃、硫黄島から東南東522海里付近海域にて、揚げ縄したまぐろを解体中、解体包丁が跳ねて事故者の首元に刺さり負傷、船主を介し海上保安庁(第三管区海上保安本部)へ救助要請がありました。船主に対し東京高輪病院へ医療助言を求めるよう指示したところ、早急に専門医療機関への搬送指示がなされました。
第三管区海上保安本部は、船艇航空機による救助を検討し、海上保安庁の勢力では救助に時間を要すため、21日午前3時58分頃、早期救助が可能な海上自衛隊に災害派遣を要請し受理されました。
また、医師等の派遣については、東海大学医学部付属病院に対し派遣要請を打診し、医師2名、看護師1名の派遣の承諾を得ました。
10日午前7時19分頃、東海大学医学部付属病院の医師等3名が同乗したP-1が海上自衛隊厚木基地を出発し硫黄島に向いました。午前9時28分頃、P-1硫黄島着、先着していたUS-2に医師等3名が移乗し、午前10時32分頃、硫黄島を出発して該船に向い、午後1時38分頃、傷病者を機内機収容し、現場離脱後、硫黄島へ向かいました。
午後3時54分頃、US-2が硫黄島に到着し、燃料搭載後に硫黄島を出発し厚木基地に向いました。
午後7時10分頃、US-2が厚木基地に到着し、午後7時32分に傷病者をドクターカーへ引継ぎ、東海大学医学部付属病院へ搬送しました。
令和5年10月9日発生
【発生位置】
沖縄県宮古島北東62海里付近海上
【船種等】
客船
【傷病者】
女性71歳 乗客(台湾国籍)
【傷病名】
脳卒中の疑い
【出動医療機関、医師等】
沖縄県立八重山病院(医師1名)
【出動勢力】
海上自衛隊US-2、P-1
【洋上救急活動状況】
令和5年10月9日午前零時39分、宮古島北東約62海里を那覇から宮古島平良港向け航行中の客船から海上保安庁(第十一管区海上保安本部)へ洋上救急の要請がありました。同船の医師の診断で脳卒中の疑いがあるとのこと。石垣航空基地ヘリコプターが対応可能、また、県立八重山病院へ医師の出動要請を行ったところ、対応することなり、洋上救急が決定しました。
午前2時零分頃、八重山病院医師が同病院を出発、午前2時5分、患者の容体が安定し、平良港入港を早める手続きがとれたことから、該船と代理店と協議の結果、洋上救急の要請がキャンセルとなりました。
令和5年9月29日発生
【発生位置】
長崎県五島市男女群島西方
【船種等】
オイルケミカルタンカー
【傷病者】
男性47歳 二等機関士(フィリピン国籍)
【傷病名】
【出動医療機関、医師等】
長崎医療センター(医師1名)
【出動勢力】
北九州航空基地MH795 機動救難士2名
【洋上救急活動状況】
オーストラリアから韓国向け航行中のマルタ籍タンカーから、船内にて重量物が落下し、乗員1名が左胸上部を負傷したことから救助要請の通報が海上保安庁(第七管区海上保安本部)ありました。
第七管区海上保安本部は直ちに北九州航空基地あて発動を指示するとともに、協力医療機関(長崎医療センター)あて連絡し、午後5時59分、洋上救急制度の活用(代金含む)につき船主へ伝えたところ、同日午後6時43分、洋上救急での対応を要請されました。
午後7時50分、MH795が長崎空港にて長崎医療センター医師1名を同乗させ、同空港を出発。午後8時21分、該船と会合し、同57分に傷病者を機内に揚収しました。
傷病者を長崎空港へ搬送し、午後9時42分、救急隊へ引継ぎ、長崎医療センターへ搬送されました。
令和5年9月7日発生
【発生位置】
金華山灯台から真方位119度800海里付近海上
【船種等】
遠洋かつお一本釣り漁船
【傷病者】
男性72歳 船長(日本国籍)
【傷病名】
脳梗塞疑い
【出動医療機関、医師等】
八戸赤十字病院(医師1名、看護師1名)
【出動勢力】
巡視船ざおう、巡視船いず、MH920 機動救難士2名 海上自衛隊US-2、P-3C
【洋上救急活動状況】
令和5年9月7日午前5時45分頃、金華山灯台から真方位度119度800海里付近海上で航行中の漁船が所属する船主から一般電話により「航行中の船内において乗組員の男性(72歳)の呂律が回らなくなり、右手も動かなくなっており、横浜掖済会病院の医療助言で早急に病院に搬送する必要があるとの助言を得たので救助を要請する」旨、海上保安庁(第二管区海上保安本部)へ連絡がありました。
第二管区海上保安本部は、当庁航空機による救助を検討、台風接近の折、当庁勢力での救助では時間を要すため、海上自衛隊航空救難団司令部に対し、9月7日午後11時30分に災害派遣要請を打診し受理されました。
また、医師等の派遣については、八戸赤十字病院に対し派遣要請を実施し、承諾を得ました。
翌8日午前1時45分、US-2に医師1名、看護師1名が同乗し、海上自衛隊八戸航空基地を出発、該船からUS-2に患者を収容後、医療行為を実施しながら、同日午前8時45分、海上自衛隊八戸航空基地到着、救急車にて八戸赤十字病院へ搬送されました。