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事故の無い平和な海を祈りながら、万が一の時に備え、
日々の訓練や救難器具の整備に努めています。
海難の救助は夜間や荒れ狂う海で行われることが多く、遭難した人や船を救助するためには、日頃から救助技術の錬磨と、チームワークを養う必要があります。各救難所では、日本財団の助成を受けて、いざという時に備えて訓練を実施しています。
救命索発射訓練(福岡県水難救済会)
この訓練は、遭難船に救助用のロープを渡すための訓練です。遭難船の曳航や遭難船に救助用の器材を渡す時のために救命索発射器の取り扱い、風向きや距離を考慮した発射方法を確認します。
心肺停止時の蘇生訓練(熊本県水難救済会)
この訓練は、遭難者が心肺停止状態にあるとき、一定の間隔で胸を反復して圧迫したり、口から息を吹き込む事によって、止まってしまった心臓や呼吸の動きを助ける訓練です。最近は、AED(自動体外式除細動器)により、心臓に電気ショックを与えて蘇生させる訓練も併用されています。
海水浴場沿岸救助合同訓練(岡山県水難救済会)
海水浴場で海難事故が発生したことを想定し、玉野市、玉野海上保安部、玉野市消防本部、玉野警察署、たまの漁業協同組合救難所関係機関が共同して訓練を実施しました。要救助者を巡視船、水難救済会救助船等により捜索し、発見、救助後はボムボートで砂浜に待機する消防に引き継ぎ搬送しました。このような合同訓練を実施することで、実際の事故発生時における各機関の協力・連携体制の確立及び救助技術の向上を図ることができます。
救助作業に必要なゴムボート、消防兼排水ポンプ、救命索発射器、発電機、担架、救命胴衣、トランシーバーなどの器具は、青い羽根募金等の寄付金を受けて整備しています。これらの器具は、いつでも使用できるよう各救難所に保管されています。
ゴムボート(山形県水難救済会)
海難救助の現場は、岩場・暗礁がある海域、あるいは水深の浅い海域もあります。このような海域では、大きな救助船は、近づけません。このような時に救難所員等を搬送するのに使用するのが「ゴムボート」です。
救助船は、郵便事業株式会社のお年玉付年賀葉書等の寄付金による補助等を受け、主要救難所に配備され、現在全国で20隻が活動中です。
稲佐救難所(長崎県)の救助船『旭龍』
この船舶は、固定消火ポンプや救助用ゴムボートを搭載し、いつでも出動準備が整っています。総トン数7.3トン。最高速度は約54km/h。
救難所員の献身的な海難救助行為に対し、社会公共の感謝を表す報奨の意味で、出動した救難所員及び出動船舶を所有する救難所員に対し、一定の救助出動報奨金が支給されます。
また、令和5年4月以降の出動、訓練への参加に対して、使用船舶の燃料代についても支援を行うことになりました。
救難所では、海難事故の情報を入手すると救難所長が救助出動を指令します。
救難所員は、救助出動の指令が出ると生業を中断してでも海難現場や救難所に駆けつけ、一致協力して救助活動に当たります。この時、日頃の訓練の成果が発揮されます。
救助活動に使用される救助船は、当会で整備した船もありますが多くの場合、救難所員個人が所有する漁船などです。